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投資初心者から頂いた質問に答える、ヘッジファンドの「地道な」投資の知識と考え方

第16回 コインチェック事件から、投資の基本を学ぶ (1)投資の「と」の字を多くの人がわかっていないのでは?

【質問へ回答:仮想通貨で損した、何が悪かったのか?】

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仮想通貨投資家のAさんより: 今回のコインチェック事件で、大損しました。何が悪かったのでしょうか?また、今後損しないためには、どうしたらいいでしょうか?

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ご質問頂き、ありがとうございます。

 

私も痛い経験があるのでわかるのですが、自分が損したとき、その間違いを認めることは、ときに、大きな痛みを伴うのではないでしょうか。

 

しかし、痛みだけではありません。

 

間違いを認めれば、学ぶことで前進できます。

 

ですので、このサイトでは、今回のご質問に、できるだけ誠実にお答えしたいと思います。

ただし、きれいごとを言っても学びにはなりませんので、耳が痛くなることもあるかと思います。

 

そして、長いです。

なぜ長いかというと、私の簡潔にまとめる力の不足が一つ。そしてもう一つは、私の思いが入っているからです。

株というのは技術よりも先に考え方なのだ、という私の思いが入っています。

今回の事件をきっかけに、知って頂きたいことがたくさんあります。

ですので、どうしても長くなってしまいます。

 

きれいごとばかりではないですし、長い。

この二点を受け入れて下さり、それでもなお、このサイトを通して投資に立ち向かいたい、という方だけ、お読み頂ければ幸いです。

 

では、本題に行きます。

ご質問は、「今回のコインチェック事件で、大損しました。何が悪かったのでしょうか?また、今後損しないためには、どうしたらいいでしょうか?」でした。

 

まず最初に考えて頂きたいのは、「今回の件について、コインチェックに法的な責任があると訴えたり、損害賠償を請求するのは、勿論個々人に認められた権利ですが、そもそも数ある取引所の中で、なぜあなたはコインチェックを選んだのですか?そこでどれだけの根拠をもって、コインチェックを選んだのですか?」ということです。

 

自分が投資家をやっている、と言うと、「今、どの株を買えばいいの?」という質問が来る確率が、非常に高いです。

 

この質問自体が悪いとは全く思いませんが、この質問をしている人が無意識のうちに置いてしまっている前提が、非常に危険なのです。

その前提とは、

「投資とは、良いタイミングで、良いものに投資すれば、自分でも儲かるものである」

ということです。

 

この前提は、一見もっともなものに見えます。

しかし、今回のコインチェック事件で、痛い目にあった方には、良く考えて欲しいのです。

仮に良いタイミングで、良いものに投資したとしても、「良くない場所で投資したら、必ずしも儲かるとは限らない」ということです。

 

「そんなの、最大手だから、安全だと思うに決まってんじゃん」

 

「だいたい、そんなの、結果論だろ?」

 

このような考えをしていらっしゃるとしたら、既にその時点で、投資に勝てる可能性はなかなか厳しいのでは、と思われます。

 

なぜか?

 

それは、「『歴史は繰り返す』という言葉が、投資において有力な武器になることを、知らずに投資していた可能性が高い」からです。

 

時は10年前の、2007年。

私は証券会社に勤めておりました。

世界の株式市場はITバブルの低迷を抜け出し鬼のような上昇相場にあり、株を買えば上がらない株はない、といったような状況でした。

そうすると、面白いことに、投資と全く関係のない業種の方々が、次々と投資関連のビジネスを立ち上げ始めたのです。

私も、いわゆる「前に出るような仕事」方に、今度投資関連のビジネスを始めようと思っている、と相談されたので、良く覚えています。

 

しかし、そのとき、「かすかな」違和感を感じたのです。

あれ、なんで投資を真剣に勉強したことの無い人が、投資関連のビジネスに参入してきて、しかもいきなり起業という非常にリスクの高い方法で、成功すると思っているのだろう?

 

今思えば、そのとき、私は、無知でした。

なぜなら、私が証券業界に入って、初めての大きな上げ相場だったからです。

初めての大きな上げ相場だったので、それがいつ、どうやって下げ相場に転じるか、その結果、様々な人々が、どのような影響を受けるのかを、知らなかったのです。

ですので、「かすかな」違和感しか抱かなかったのです。

 

その後、世界の株式市場はどうなったでしょうか?

 

米国株も、日本株も、2007年をピークに、急降下。

そして、2008年に何が起きたか。

そうです、リーマン・ショックです。

 

そこで、私は思ったのです。

「もちろん、投資に成功している芸能人だっている。だけど、おそらく、芸能人が投資に食いついてきたら、今度は、売りを考えてみよう」と。

 

そして、もう一つ。

リーマン・ショックとは何か?

と聞けば、多くの人は、世界中で、何かしらの金融商品が下落した、というイメージを持ってらっしゃる方が多いです。

 

しかし、それだけでなく、もう一つ、重要な捉え方ができるのではないでしょうか。

そうです。

「潰れないと多くのプロが思っていた巨大な証券会社でさえ、潰れることがあるのだな」

ということです。

 

ここまでお話すれば、今回のコインチェック事件が、どれほど10年前と似ていたか、おわかり頂ける方もいらっしゃると思います。

 

まだまだ話は続きますが、長くなりそうなので、ここで一度、まとめておきましょう。

 

どんなに良い投資をしても、その取扱会社(証券会社、FX業者、仮想通貨交換所など)が悪ければ、その投資が実を結ぶ以前に、別の問題が生じてしまうことがある。

つまり、

投資の「と」の字は証券会社の選び方だ

ということ。

 

そして、もう一つ。

投資において、歴史は繰り返す可能性がある

ということです。

 

そして、もしこの二点を受け入れて下さった方は、さらなる疑問が出てくるかもしれません。

それは、

では、証券会社はどう選べばいいのか?

そして、

歴史から他に学べることはないのか?

という疑問です。

 

今回はここで終わりにしておいて、また機会がありましたら、上記の2点について、お話させて頂きたいと思います。

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