【質問へ回答:勝てるテクニカル分析とは?】
—————-
個人投資家のAさんより: テクニカル分析とは、何でしょうか?どうやったら、勝てるでしょうか?
—————-
まず、一般的なテクニカル分析を、説明します。
最もよく使われるのは、移動平均でしょう。
移動平均を何本か並べて、ゴールデンクロスしたら買い、デッドクロスした売り。
もしくは、株価が移動平均を上回ったら買い、下回ったら売り。
これがよく言われている方法です。
もしこの方法を試したことがなければ、是非、実際自分のおカネを賭けて、やってみることをおすすめします。
なぜなら、以下の内容は、実際に自分のおカネを賭けてやったことがある方と、無い方では、伝わり方が全く違ってくるからです。
実際に自分のおカネを賭けてやってみると、どんな結果になったでしょうか。
もしあなたが、この方法で「かなり長い期間」、「安定して」儲け続けているのなら、この方法はあなたにピッタリな可能性が高いです。
あなたはこの方法を使いこなす才能がある、と言ってもいいかもしれません。
もし、あなたが、この方法で「儲かるときもあるんだけど、結局負けて、あんまり儲からない、トントンがせいぜい、または損が出ちゃっている」ならば、どうでしょうか。
安心して下さい。
あなたがダメなわけではありません。
なぜなら、この方法を使えば、多くの人はそうなるはずだからです。
では、どうやれば、テクニカル分析で差を付けることができるのか。
何度も言いますが、必勝法はありません。
しかし、このテクニカルを題材として、株の本質を理解し、勝ちに近づくことはできるはずです。
その大きなヒントは、「なぜこの移動平均線を使った方法は勝ちにくいのか」を本質的に理解することで得られます。
その方法を説明しましょう。
移動平均を使った方法でやっていることは、結局のところ、「トレンドが発生しなかったら損切りし、トレンドが発生したら放置し利益を伸ばす」ということです。
これ自体は、非常に優秀なコンセプトです。
なぜなら、負けの典型的なパターンである「コツコツ儲けてドカンと損する」の逆のパターン、「コツコツ損してドカンと儲ける」を目標に設計されているからです。
ではなぜ、設計が優れているにもかかわらず、儲けにくいのか?
その原因はおそらく、「実行」の部分にあります。
私が見る限り、多くの人が使っている移動平均の方法は、非常にシンプルであるが故に、差別化が難しく、真似されやすいという特徴があります。
もし多くの人がほとんど同じタイミングで売り買いをするとなると、その勝敗の差はどこで付くでしょうか。
それは、スピードです。
結局のところ、移動平均の方法は、スピード勝負になる一面があります。
さらに言うと。
もしそのスピードがどれだけ速くても、一定であれば、設計したタイミングに近いところで売買を実行することも可能です。
ですが、もしそのスピードが、時間が経過するに連れて、どんどん速くなっているとしたら、どうでしょうか。
あなたの設計した戦略は、どんどん利益が削られていく可能性があります。
つまるところ、シンプルで手のつけやすい戦略であるが故に、どんどん競争が厳しくなっていく。
それが移動平均なのではないでしょうか。
もし今まで述べてきたことが正しいとしたら、どうすればいいでしょうか。
その答えは自明です。
移動平均でも他の指標でも良いのですが、やはり他の人が使っていないような設計で、有効な戦略を作るしかありません。
ここからは試行錯誤、紆余曲折の世界なので、これという方法はありません。
ですが、ただ闇雲に試すのではなく、指針を持つことはできます。
上記の移動平均で、多くの人が陥っている罠を、よくよく考え、逆用するのです。
たとえば、どんなアイディアがあるでしょうか。
スピード勝負になっているのはなぜか?
それを踏まえると、スピード勝負にならないような設計は可能か?
移動平均とは何なのか?
本当に移動平均である必要があるのか?
ゴールデンクロス、デッドクロスとは何なのか?
そこで投資する必要があるのか?
これ以上はここでは申し上げられません。
ですが、移動平均という題材一つとっても、これぐらいの考えは誰でも浮かべることができます。
テクニカル指標はたくさんありますので、試すことができるアイディアは無数です。
大事なことは、そのテクニカル指標の本質をとらえるということです。
以下では、各々のテクニカル指標が、一体どういうものなのかを、私なりに考え、説明致します。
それを踏まえれば、他の人が気づいていない、かつ有効な、指標や戦略を作るヒントになることは間違いありません。
そんな暇はないので、答えだけ教えて欲しい、という方には、私自身が現在の市場をどう見ているかを解説するコーナーも一応ありますので、もしニーズに合うようでしたら、ご利用頂ければと思います。
ですが、それはあくまで付加的なもので、このサイトの本質的な趣旨ではありません。
このサイトが根源的に狙っているのは、自分で株式市場を分析し、自分で勝つための戦略を立てられるようになるためのヒントを私なりに解説する、ということです。
ですので、これから述べる様々な指標の説明をお読みになり、ご自分でその本質を考え、ご自分で試行錯誤して頂ければと思います。